英ポンド/円相場は、2月7日の147.98円をピークに、足元では140円の節目水準まで値位置を切り下げている。引き続き、イングランド銀行(英中央銀行)が追加緩和に踏み切るとの警戒感が、ポンド相場の上値を圧迫している。安倍政権の脱デフレ政策を背景とした円売り圧力が修正を迫られていることもあり、ポンド高・円安に対する修正局面が継続している。
英金融政策の方向性を巡る思惑が、ポンドの上値を圧迫している。20日に公表された金融政策委員会(MPC)議事録(7日開催分)では、キング総裁など3年のメンバーが資産購入枠の拡大を主張していたことが確認されている。27日には、ビーン副総裁が、必要であれば景気てこ入れのための追加措置を取る用意があると述べるなど、追加緩和の思惑が強くなっている。10~12月期の英国内総生産(GDP)改定値は、速報の-0.3%から据え置きとなったが、このまま成長見通しが抑制された状態が続く限りにおいては、現在は小数派の追加緩和派が主流派に転換する可能性が高まる。直ちに追加緩和が実施されるような環境とは考えていないが、ユーロとの比較でもポンドは上値の重い状態にあり、目先はポンドサイドからの本格反発シナリオを描くのが難しい情勢にある。
一方、円サイドでは自民党が次期日銀総裁・副総裁人事を提示する予定であるが、事前の報道通りの内容であれば特に材料視されないだろう。円サイドに大きな動きがあるとすれば、米財政問題の先行き不透明感から再び円高圧力が強まる展開となる。その場合には、ポンドの上値の重さとあいまって、ポンド売り・円買いの動きが加速するリスクに注意が必要である。横ばいないし、若干のポンド安・円高を想定したい。
今後1週間の予想レンジは、137.50~144.50円。